アメリカの子育て事情(1)  

抱きしめること(ハグ)で不安を解消

 カレン(27歳・仮名)は、我が子ケブン(仮名)がミルクから離乳食に上手に移れないことで、うつ病になった。地域の総合病院で、薬物による加療を試みたが、症状は一進一退、その間、自殺未遂を5回も繰り返す。その後、専門医に紹介され検査の結果、「愛情飢餓」がみつかった。

 医師はまず、若い母親の責任感からくる張り詰めた気分を自律神経で和らげ、普段より長い時間のハグを試みた。それは、週2回程度、一回につき15分から20分間、抱きしめる行為を継続したのである。すると6ヶ月を経過した頃から親子共々軽快しはじめ、暗かった表情も明るくなり、ついに1年半後には、寛解した。

 このようにハグは、全身の感覚器官を通じて副交感神経を快く刺激し、極度の不安でさえも取り除くことがある。私達も、親子はもちろん夫婦間でもテレたりせずに、「ハグ」をとうして、ストレスから身を守りたいものである。

− FROM 福桝 利郎 (医学博士) −

 

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