さがみ愛育会とは……

 当法人は昭和34年(1959年)設立許可されました。渕野辺保育園の 創始者である松岡 謹初代理事長は、平成7年6月の複合施設落成式に主催者代表として 次の挨拶をしています。

 「昭和30年代になって福祉施設には個人立から社会福祉法人に変わるような 指導が行われていました。しかし何の基本財産ももちあわせていませんので、 それこそ、廃園も辞さない覚悟でこれからどうすべきか神奈川県に相談したことがあります。 しばらくして県担当課から、『松岡氏自身を担保に法人認可する』という画期的な指導がありました。 こうして貧しくて基盤の弱い法人としてスタートしましたが、行政や地域社会の方々に支えられ、 やっとここまでたどりつくことができ、今感謝の気持でいっぱいです。」

 この挨拶のあと、来賓として御臨席していた当時の厚生省 柴田雅人保育課長さんから「保育は人材なり」 を実践した方であると評価して下さったことは、いまだに記憶に新しいものがあります。 ちなみに、この落成式一ヶ月後に、その松岡 謹氏は93歳の生涯を全うしています。

 いま20世紀が積み残した構造的な福祉や保育の見直し改革が推進されています。 いわゆる措置システムによる官主導型から利用者が主権を持ち、それに応える福祉施設の役割が問われ、 また多様な主体の参入による市場社会への導入なども始まっています。 きっとマイノリティー支援の福祉サービスから、マジョリティーそのものの価値規範が問われ、 個人の生き方や考え方を保証する福祉へと変わってきたからでありましょう。

 私達は一つ一つ課題をクリアしながら福祉法人の倫理性を確認するとともに、 人と人とをコーディネートする地域の福祉センターを目指すことを目標にします。 そのキーワードはいっしょっていいねが原点です。